Grayの歴史は、日系企業のアメリカ進出の歴史そのものと言っても過言ではないと思います。
1950年代 | |
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1953 | 創立者 James Norris Gray が将来の国際化を見込んで建設業を始める 1957 年建設業者として競争入札方式に参入する。 |
1960年代 | |
1960 | James Norris Gray 建設として法人組織化する。 |
1970年代 | |
1972 | James Norris Gray 死去に伴い、大学卒業直後の長男 Howard Gray が社長、次男の Jim Gray が副社長として会社を引き継ぐ。 |
1979 | 国際化を見込んだ創業者の理念を受け継ぎ、初の日系プロジェクトであるテネシー州の東芝プロジェクトに参加する。 |
1980年代 | |
1986 | 日立製作所のケンタッキー工場建設工事を元請受注。国際化の糸口を日系企業に定めたグレイ建設の日系シフトが始まる。「良い仕事が継続取引に繋がり、末永くパートナーとして共栄していく」グレイ建設の理念が確実なものとなる。日立製作所のプロジェクトは、最終第6期まで継続した。 |
1987 | トヨタ自動車ケンタッキー製造工場建設工事を受注。元請7社の中の1社となる。 |
1988 | 伊藤英雄がグレイ建設に参加し、日本事務所を開設。日本語で日米双方からプロジェクトを全面支援する体制が確立される。 |
1988 | 住友電工、日立粉末冶金、不二ラテックス、横浜ゴム、YKK と日系企業プロジェクトが他業種に広がる。アメリカゼネコンで工場施設を設計施工で一括請負する契約方式は先駆的な取り組みであり、日系企業向けにこのサービスを行う会社は、日系ゼネコン以外には非常に珍しい存在となる。 |
1989 | トキコ、日本発条、アラコ(現:豊田紡織)、曙ブレーキ、旭硝子、神戸製鋼などの信頼を得て長期継続取引が始まる。 |
1990年代 | |
1990 | 花王のリサーチセンター受注。R&D設備への足がかりをつかむ。 1992 年 出光興産の潤滑油プラントを設備の設計施工込みで一括受注。対象設備に応じて最適な設計会社を選定し、グレイ建設が、設計、調達、施工すべてのマネージメントをする。EPCランプサム契約方式の足がかりをつかむ。 |
1993 | トヨタ自動車ケンタッキー第2期製造工場建設工事を受注。トヨタグループ内での信頼をよりいっそう強いものにする。 |
1994 | 三菱化学、ヤマサ醤油等プロセス設備EPC一括受注が増え、活動範囲も本格的に全米展開となる。 |
1994 | 日系企業プロジェクトの受注が 100 件を超える。 |
1995 | 年間の日系企業向けプロジェクトが年間 15 件を超え、日系企業の米国進出ブームが頂点となる。 |
1997 | トヨタ自動車インディアナ製造工場建設工事を受注。ケンタッキー製造工場建設工事に続いてインディアナ製造工場も受注。コストならびに品質でトヨタの要求を満足できるアメリカの建設会社として評価が高まる。 |
1998 | 東海カーボン、住友電工、イビデン、島津製作所、信越石英等、オレゴン事務所を中心に西海岸の日系企業プロジェクトが急増する。 |
2000年代 | |
2000 | トヨタ自動車ウエストバージニア製造工場建設工事を受注。トヨタの3拠点の実績を確立。アメリカでの自動車工場関係建設会社として上位のポジションを不動のものにする。 |
2000 | 旭電化添加剤生産工場を完成。EPC一括受注に、海外調達機能を加え、プラント最適化を追求する。日系企業プロジェクトとして初めて、アメリカ設計施工協会の年間優秀賞を受賞する。 |
2001 | アメリカ同時多発テロ。日系企業の進出が急激に減少するものの、日系企業プロジェクトの実績が 200件を越え、アメリカの建設会社としては、唯一日系の建設会社にならぶ実績を誇る。 |
2001 | 長男の Howard Gray に代わり、三男の Franklin Gray が社長に就任。 |
2002 | トヨタインディアナ第2期製造工場建設工事を受注。プレスアッセンブリー施設とユーティリティ施設も同時受注。 |
2002 | ヨーロッパに進出、Skanska Czechと共同で、TPCA(トヨタプジョーシトロエン)造成準備工事ならびに古河電工プロジェクトを受注する。 |
2004 | 三菱瓦斯化学ナイロン工場、ダイセルインフレーター工場など日系化学会社の中での認知度が高まる。 |
2005 | 東洋タイヤの大型プロジェクト受注。プロジェクト規模が $50-100Million に対応する体制を固め、グレイ建設本体による大型プロジェクト対応、関連会社による中小規模対応と対象プロジェクトの幅をさらに広げる。 |
2005 | トヨタテキサスの進出に伴い、キャンパス内サプライヤーに標準を絞り、豊田合成、高木工業、豊田通商のプロジェクトを担当する。 |
2005 | 業務多角化、持ち株会社への移行に伴い、Jim Gray がグループの CEO となり、四男 Stephen Gray がグレイ建設の COO に就任する。 |
2006 | トヨタ初の設計施工プロジェクトとして、トレーニングセンターを受注。あわせて LEED(環境保全対応建築)の認証を本プロジェクトで取得する。 |
2007 | カネカ、東洋インキ、住友化学と日系化学会社からの EPC一括受注が拡大する。 |
2007 | 日系プロジェクトの建設実績 250 件を越える。 |
2008 | BMW のサウスキャロライナ製造工場建設工事を受注。日系、韓国系に続いて欧州メーカーにも認知度が広がる。 |
2009 | シーメンスの風力発電設備工場建設工事を受注。欧州メーカーへの認知度の高まりや、環境保全意識に合わせてグリーンビルディングに力を入れる。 |
2010年代 | |
2010 | Gray 会社設立50周年を迎える。 |
2011 |
三菱重工業の風力発電設備工場建設工事が竣工。 日系プロジェクトの建設実績300件を超える。 |
2012 | ミシュランのタイヤ製造工場建設工事、キャタピラーの油圧掘削機製造工場建設工事、日系ケミカル会社の機能樹脂製造工場建設工事等、いずれも100億円を超えるプロジェクトを連続して受注。 |
2013 |
キャタピラーの大型アクスル工場がLEEDシルバー認証を取得。 シーメンスのガスタービン製造工場がDBIAのDesign Build Project Awardを受賞。 |
2014 |
AGC(米国建設業協会)より安全に関する最高レベルのWillis Construction Safety Excellence Awardを受賞。 大塚化学の米国初の摩擦材工場建設工事、JX日鉱日石米国潤滑油製造工場建設工事を受注。 |
2015 |
三井倉庫、大日精化、三恵技研などの日系プロジェクトの工場建設工事を受注。 欧米系では、食品プロジェクト、及びドイツ系の自動車関連プロジェクトの受注が伸び、売上も1,000億円を達成。 ケンタッキー州で手掛けたChampion Pet Foodのペットフード製造工場にて、設計内容、予算管理、工期管理が評価され、DBIA(米国デザインビルド協会)よりNational Design-Build Project Awardを受賞。 |
2016 |
三菱ガス化学の建設プロジェクトをテキサス州とオレゴン州で同時に受注。 プロジェクト受注が増えている米国南東部のサポート体制を強化する為に、ジョージア州とサウスカロライナ州にも事務所を開設。 更には、カナダにも事務所を開設し、プロジェクト対応範囲を広げる。 |
2017 |
タキガワコーポレーション、ビューテックなどの日系工場建設プロジェクトを受注。 欧米系ではSofidelの製紙工場、Clemensの食肉加工工場、Amazonの大規模配送センター、Champion Pet Foodのカナダ食品製造工場など、それぞれ100億円を超える大規模プロジェクトを数多く受注し、会社の年間売上は1,300億円を突破。 |
2018 |
アイリスオーヤマ、アマダ、東洋水産(マルちゃん)、住友建機(リンクベルト)などの日系工場建設プロジェクトを受注。 食品工場建設プロジェクトの対応能力をより充実させるために、InLine Engineers社をグループ会社に加える。西海岸ではTimberwolf社をグループ会社に加え、商業施設建設プロジェクトの受注に一層力を入れる。 |
2019 |
トヨタ・マツダの米国合弁製造工場向けサプライヤーであるY-tec Keylex Toyotetsu Alabama(ワイテック、キーレックス、豊田鉄工)、Toyota Boshoku Aki USA(トヨタ紡織、デルタ工業、東洋シート)の新規製造工場などをアラバマ州で受注。 オートメーション&コントロールのエンジニアリングとプログラミングに特化する会社、Gray Solutionを新たに設立。 |
2020年代 | |
2020 |
ネスレ・ピュリナをはじめ、大規模な食品プロジェクトを多数受注。 食品工場や製薬工場向けの生産機器を設計・製作しているAnderson Dahlenをグループに加え、食品プロジェクト向けのサービスを更に充実。 アイルランドにも事務所を開設し、ヨーロッパ市場に進出。データセンターの受注も増え、ENR誌によるデータセンターの建設ランキングにもランクイン。 日系では、電気自動車部品工場や食品工場などの建設プロジェクトを受注。 |
2021 |
米国ではワクチンの接種が進み、これまで延期されていたプロジェクトが再開され、またコロナ禍によって新しく出てきたビジネスによるプロジェクトが動き出したことにより、グレイ建設でも多数のアメリカ建設プロジェクトを受注。 特に、食品工場、物流センター、データセンターの受注が伸び、年間受注額が2300億円を突破。 食品、製薬、ライフサイエンス企業向けにDX/IoTサービスを提供しているStone Technologies社をGray Solutionsにて吸収し、プロセスオートメーション & コントロール、MES/MOMを含むサービスを更に充実。 |
2022 |
半導体及びバッテリー関連の工場建設プロジェクトの受注が増え、年間受注額が4400億円を突破。 ENR誌による米国食品工場の建設ランキングでは、全米1位となる。 日系プロジェクトでは、Hans Kissle(三井物産 & ケンコーマヨネーズ)による食品工場、半導体素材工場、バッテリー素材工場のアメリカ建設プロジェクトを受注。 西海岸での受注が増えたことにより、カリフォルニア州に新たに事務所を開設。 |