2010/08/10
三菱重工業は、米国アーカンソー州に風力発電設備の組立工場を建設する。同設備の中核機器であるナセルを生産するための工場で、当面の生産能力は年間約 60万 kW。回復基調にある北米市場の需要を取り込んで、アメリカでのシェア拡大を目指す。生産開始は 2011年後半を予定。三菱重工業が海外でナセルを生産するのは今回が初めて。
新製造工場は、米国アーカンソー州第2の都市であるフォートスミス市に建設し、三菱重工業原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Amerias, Inc. (MPSA、本社フロリダ州)が運営・管理する。すでに工業用地となる敷地約 36万m2を確保しており、現在設計が進行中、年内には着工する予定。従業員数は当初 300人規模となる見通し。
三菱重工業は 1980年の初号機納入依頼、四半世紀にわたり、風力発電設備の自主開発・製作・供給に取り組んできた日本国内最大の大型風力発電設備の総合メーカー。米国への参入は 1987年で、以来、3,500基超の納入実績を誇っている。米国の風力発電設備市場は、金融危機後しばらく停滞していたが、今回は回復基調となってきており、今後大きな成長が期待される。三菱重工業はすでに北米向けのブレード(翼)生産拠点として Vien Tek社のメキシコ工場を確保しているが、今回の北米ナセル工場建設による現地生産化で、拡大する北米需要により一層積極的に対応していく。
グレイ建設は、ドイツのシーメンス社の風車工場(カンザス州)の受注に続き、今回は三菱重工業の風車工場プロジェクトを担当することとなり、米国の新エネルギー分野・環境分野でのより強い存在感を示しています。今回の三菱重工業の受注は、270を超える日系プロジェクトの中でも大きなマイルストーンとなります。今後も日系企業の米国進出では、お客様にとってのファーストチョイスであるよう、スタッフ一同が鋭意努力を続けて参ります。
三菱重工業の風力発電プラントに関しては、以下のWebsiteを参照ください。